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- 肌のしわ治療、化粧品と美容皮膚科
決め手は、費用?効果?
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しわ治療
2019.12.19
年齢とともに避けては通れないしわの悩み。近年は化粧品の質も向上し、化粧品だけでは不可能だと思われていたしわ解消すら、ある程度の効果が望めると言われています。毎日行うスキンケアでしわ改善ができるのならば、こんな簡単なことはありませんが、実際に化粧品で行うスキンケアだけでしわケアは可能なのでしょうか?
化粧品だけで、どこまで皮膚のしわは改善する?
どんな「しわ」でも一口にしわと表現しますが、しわには多数の種類があり、種類によってできた原因も異なります。その主たる原因の一つに肌の水分量の不足があります。これは化粧品による十分な保湿ケアで解消する可能性があります。
肌の乾燥が表皮の問題ならば、しっかり保湿することが重要です。もっと進行して肌の真皮にあるハリを支える成分コラーゲンやエラスチン、潤いを支えるヒアルロン酸が減少している状態ならば化粧品の成分を選ぶ必要があります。コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸はどれも線維芽細胞という細胞が生みの親ですが、真皮層の線維芽細胞の働きが悪いことにより、有効成分が作り出されなくなり、肌のハリ、潤いがなくなっています。線維芽細胞やコラーゲン生成を促す成分が含まれている化粧品を選ぶことで、それらの生成を促すことが期待されます。
しわに効果的とされる成分
・レチノール(コラーゲン生成を促す)
・ビタミンC誘導体(コラーゲン生成を促す、皮脂抑制効果)
・ナイアシンアミド(肌の血行、代謝を促す)
これらはしわに効果があるとされている代表的な成分です。
しわ対策のために必要なアイテム
・クリーム(保湿力が高く、成分が密着しやすい)
・美容液(高濃度に有効成分が配合されている)
・マスク(保湿力を高める)
毎日のスキンケアでしわ対策を行うならば、普段の化粧水や乳液の後に、有効成分が配合されているクリームや美容液、マスクをプラスすることで、目元や口元の乾燥じわなど、乾燥や紫外線の影響による浅いしわの改善は十分望めます。ただし真皮まで深く刻まれた表情の癖でできる表情じわ、加齢とともに顔の骨格や筋肉の変化による皮膚のたるみが原因のしわ、脂肪が減少することで皮膚がしぼむしわなどには、また別のアプローチが必要になってきます。
美容皮膚科だからできるしわ治療
化粧品の進化以上に目を見張る進化を遂げているのが、美容皮膚科によるしわ治療です。ほんの20年ほど前では、たるみが出て初めて皮膚にメスを入れてしわが消えるまで引っ張るフェイスリフトという手術しか解消法はありませんでした。現在は、注射でしわを解消するボトックス注射やヒアルロン酸注射でほとんどのしわが解消できるようになりました。また、レーザーなどを照射するたるみ治療、有効成分を効果的に肌に浸透させる導入治療、医師が監修したドクターズコスメなど、しわの種類に合わせた治療法があり、その治療単独、もしくは組み合わせてしわ解消を狙います。
注射による注入治療
注射によるしわ治療の代表的なものには、ボトックス注射、ヒアルロン酸注射、PRP注射などがあります。ボトックス注射はボツリヌスAトキシン製剤のことで、毒性のない成分を注入する方法です。表情筋の動きを抑えることによって日常の表情癖でできる表情じわを改善、表情じわができやすい眉間や額などのしわに大きな効果が見られます。ヒアルロン酸は様々な種類があり、内側からハリを与えるように注入すれば深いしわや、筋肉や脂肪が減少してできたしわにも効果が望めます。PRP注射は自身の血液を分離して、成長因子が多く含まれる血小板を注入する施術で、肌の内側から線維芽細胞を刺激します。
照射治療
頬がたるんでできるほうれい線など、皮膚のたるみが原因のしわには、引き締め、リフト効果があるウルセラやサーマクールなど照射治療を行う方が向いていることもあります。
導入治療
レチノン酸(ビタミンAの一種)やビタミンCをイオン・超音波で効率的に肌に導入する施術が導入治療です。しわに有効な成分として、レチノールを紹介しましたが、レチノールはレチノン酸の100分の1程度の作用しかありません。またビタミンCは、空気に触れると酸化し肌へ吸収されにくい特徴があります。市販されている化粧品には成分に対して規定された濃度があり、多くの成分を入れることはできませんが、導入治療は。これらの成分をしっかり肌に取り込むことができます。しみ、にきびにも効果が見られます。
ドクターズコスメ
ドクターズコスメとは、美容皮膚科の医師や皮膚科専門医、医療機関が開発もしくは監修しているコスメです。様々な種類がありますが、クリニックで直接販売しているものは、その院が認めているものと考えられます。
総合的に考えるしわ治療
化粧品でしわ改善を目指してケアするのは、時間的拘束がなく手軽です。浅いしわならば化粧でも改善される可能性はあります。
美容皮膚科の施術は、定期的に施術を繰り返すことで効果を持続させます。その分時間的拘束があります。費用に関しても、数万円かかる高価な化粧品と比べても、美容が目的のため自費診療となり同等、もしくは高くなる治療も多くなります。しかし専門医に診察してもらうことで、最善の治療法へ遠回りすることなくたどり着くことができます。また定期的にお手入れを続けることで、気になる症状を少しずつ、自然な印象を保ちながら改善し、見た目の年齢を長期間にわたりより若くすることも可能です。
ただし、美容皮膚科で行う施術はどこで受けても一緒ではありません。最適な治療法への正しい判断、高度な技術があって初めて望む不老美肌を手に入れることができるのです。
しわ治療には、いろいろな方法がありますが、専門医に相談して自分にとってのベストな方法を見つけることがしわの悩みを解消への何よりの近道です。
- Doctor comment
- ドクターコメント
しわ治療は早いうちに始めると予防にもなり効果的です。真顔の状態でしわの溝がない段階から始めるのが理想的です。しわができやすい眉間と目尻に早めに注入治療しておけば、一生しわを作らないでいることも不可能ではありません。
- Treatment collection
- 施術コレクション
ヘイロー
ヘイローは2つの波長を融合させ、1台で美白、引き締め、お肌のエイジングケアをまとめて実感できるレーザー照射機です。肌表面の治療のため、2〜5日ほど赤みやむくみといったダウンタイムがありますが、ノーダウンタイムの治療では得られない相乗効果が望めます。
この記事の監修
クロスクリニック銀座 石川浩一院長
プロフィール
- 経歴
- 1988年 防衛医科大学校卒業
- 1992年 防衛医科大学校病院救急部形成外科勤務
- 1994年 自衛隊中央病院形成外科・国家公務員等共済組合
連合会三宿病院形成外科医長 - 1995年 東京女子医科大学第二病院形成外科助手、医局長
- 1998年 クロスクリニック開業
- 2014年 クロスクリニック銀座開院
- 資格
- 日本形成外科学会認定・形成外科専門医
- サーマクール認定医
- 所属学会
- 日本形成外科学会会員
- 日本レーザー医学会会員
- 日本美容外科学会会員
- 日本マイクロサージャリー学会会員
- 日本臨床皮膚外科学会会員
- 日本医学脱毛学会会員
- 日本肥満学会会員